2014年12月09日

リハビリテーションって

 突然ですが、うちにはカニのかにおくんがいます。サワガニと思われる彼(?)を捕獲したのは近所の道路。夜の帰り道、素早い動きと、かなりの威嚇行動にも負けず、むんずと掴んで、うちへ迎えたのです。よく食べ、元気に4か月。。。カニも安泰な生活に慣れ、いつのまにか威嚇されることがなくなりました。そして何事にも動じない彼は、猫が水槽越しにバンバンパンチしようが、2匹に囲まれてガン見されようが悠々と過ごしています。

私の願いはただ一つ。脱皮最中の彼を観察すること。2代目なのですが、今まで一度も見たことがありません。いつも、おっ、2匹になってるっ?あ、抜け殻だぁ〜という感じ。美しいのです。これが。かにおくん、よろしくね。


 ネットでセミナーを観覧する機会がありましたので、今日はリハビリテーションの話を少し。

人間では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の専門家が行うことですが、動物の場合、理学療法がリハビリテーションになります。リハビリの目的は、過度の安静、活動の低下により生じる状態を改善してあげること。イメージのリハビリというと、プールで泳いだり、レーザー治療をしたり、ストレッチをしたりと思いがちですが、生活面のあらゆる管理がリハビリになります。食事・衛生面の管理、適切な運動、それらを、サポートグッズを利用し、環境を整備しながら行うことがリハビリテーションだそうです。そう考えると、日々、行っていること、皆さんもありますよね。しっかり管理して把握していることは、どんな病気でも、あらゆる年齢でも、とても大切なことです。


術後のケアなど動物病院内で行うこともありますが、生活している自宅で飼い主さんが支えるリハビリテーションは、全てがオーダーメイドになります。それぞれの生活環境が異なるからです。話せない相手だからこそ、飼い主さんと獣医がよく話し合っていかなければなりません。


絶対安静ばかりいわれていた時代はだいぶ変化してきているのですね。


byハヤセ

posted by まなAH at 15:07| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年12月02日

感染症の話C

寒いですね。年末年始のホテルの予約がだいぶ埋まってきました。月が変わるだけなのに、1月はちやほやされますね。。。クリスマス、大みそか、お正月、ついつい浮かれてしまいます。こどもか!


今回はワンコの感染症について。まずは、ケネルコフ(ケンネルコフ)という言葉聞いたことがありますか?これは犬の伝染性気管気管支炎により、咳をする病気のことをいいます。ケネルは犬舎、コフは咳という意味です。多頭密集飼育の環境では容易に感染し、犬舎の咳という名前で呼ばれているのです。原因は、細菌やウイルス感染ですが、これらの混合感染が症状を引き起こします。動物病院で遭遇することは割と多く、ほとんどが仔犬です。飼い始めて間もない仔犬は、環境の変化によるストレス(めちゃくちゃ元気そうに見えて、子ワンコ自身も気づいていないことがほとんど)で、今まで無症状だったものが発症してしまうケースです。免疫機能がまだ十分でない仔犬同士では容易に感染するので注意が必要です。

咳、というとゴホン、ゴホンというイメージですが、ワンコの場合、本当に様々な咳があります。「ケッ、ケッ」 「カーッ」 「ヒーッ」 「ゲーッ」「コプッ」(あれ?しゃっくりした?)みたいなものまで。文字にするとなんじゃこりゃですね。咳の最後に「グェーッ、ペッ」と吐いてしまうこともあります。吐く、というので実際みせてもらったら、咳が原因のこともありました。咳が連発す、ると最後に吐いてしまうのです。これは辛いでしょうね。

治療は抗生剤を最低でも2週間は続けます。抗生剤は基本的に細菌にしか効きません。原因は混合感染ですので、途中で別の抗生剤に変えてみることもあります。そして全ての原因の病原体を抗生剤でやっつけるのではなく、動物の本来の免疫機能を発揮してもらって治癒へと向かわせます。後押しするために、気管拡張剤、消炎剤、去痰剤を使ったり、薬を霧状にして鼻粘膜、気管へ直接いくように吸入させたり(これには加湿の目的も)することもあります。仔犬と同居している成犬では、感染することは比較的少ないですが、かかっても、健康体であれば重い症状にはならずにすみます。

仔犬の咳といえば、ケネルコフ!という印象がありますが咳や鼻水の出る病気で、怖いものではジステンパーがあります。仔犬は適切な時期にワクチンを受けていることが多いので、ケネルコフほど多くはありませんが、こちらは厄介な病気です。仔犬では命に関わることも少なくないですし、後遺症が残ることもあるので注意が必要です。

冬の乾燥している時期、ウイルスにとっては生き延びやすく、感染力も強まる季節です。私たちがインフルエンザに気を付けるように、ワンコたちもいろいろなウイルス感染のリスクがあることを覚えておきましょう。

                                                                 
posted by まなAH at 15:00| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年11月18日

感染症の話 B 猫コロナウイルス感染症

寒さも増してきて、乾燥する時期ですね。肌のかさかさが気になります。全身から粉がふいてきました……


さて、今日は猫の難治性感染症の最後の一つ、猫コロナウイルス感染症です。猫伝染性腹膜炎とも呼ばれている病気で、とても厄介な病気です。原因のコロナウイルスは、糞便(一番ウイルスが多い)や唾液や鼻水などから感染します。発症すると、血管炎を起こし、それにより色々な症状が出てきます。典型的なものは腹水や胸水が貯まるタイプ(ウエット型)。他にも、腎臓が悪くなったり、眼に病変が出たり、神経症状を起こしたりと、とにかく症状は様々です(ドライ型)。症状が多数あるのに腹水や胸水が貯まらないタイプでは、診断が困難という獣医師泣かせの病気です。ですので治療を開始しても改善がみられない、または、若いのにかなり具合が悪い場合は、疑わなければいけない病気です。残念ながら有効な治療法はありません。ただし、コロナウイルス感染したら必ず発症する病気ではありません。感染猫の免疫状態やウイルス自体の強さ(コロナウイルスとよばれるウイルスは1つではないのです)によって、発症するかどうか、そして、発症する場合もウエット型なるのか、それ以外のドライ型になるのか分かれます。同居猫のうち1匹だけ発症するケースや、室内飼いで他猫との接触がない猫が発症するケースも少なくないのです。

この病気にはワクチンがありません。開発は進んでいるようですが、まだ、実用性の段階ではないようです。予防は、発症猫さんとの接触を避ける、普段の生活環境を整えて免疫力を保つことでしょうか。歯切れの悪い書き方になってしまいます(悲しい)。診断も難しい、治療も難しい、本当に辛い病気です。


さて、次回はワンコの感染症の話ですよ。


byハヤセ

posted by まなAH at 16:04| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年11月11日

感染症の話 A 猫の白血病ウイルス

やっと衣替えをして快適な毎日を過ごしています(おそっ)。あまりからっとした秋晴れが少なくてさみしいですね。散歩にはもってこいの季節です。


さて、感染症シリーズ、猫の難治性ウイルス感染症の2つ目は猫白血病ウイルスです。

猫の白血病ウイルスは、猫エイズと同じく、唾液から感染しますが、咬傷はもちろんですが、食器の共有や仲の良い猫同士の体の舐めあいでも感染します。また、糞便、尿にもウイルスが排泄されます。ですので、一緒に暮していれば、ほぼ、うつります。感染すると、ウイルスは咽頭(喉の奥)からリンパ球骨髄の細胞へ移行して潜伏感染という状態になります。ウイルスが骨髄細胞まで行く前に生体の免疫機構がうまく働くと、ウイルスを排除することもあるのですが、骨髄細胞までいってしまうと、ストレスなどがかかった時に、貧血や免疫抑制、リンパ腫などを発症してしまいます。治療をしても、2〜3年しか生きられないことが多く、白血病ウイルス陽性の猫さんに出会ったときは、私たち獣医はとても切なくなります。


猫エイズよりも感染しやすい病気ですので、多頭飼いで、ウイルス陽性猫さんがいたら、食器やトイレ、キャリーケースの共用も避けた方がいいでしょう。本来は完全隔離です。どうしても無理であれば、ワクチンを接種してあげましょう。この病気にもワクチンがあります!残念ながらワクチンも100%の効果ではないこともあるので、それでも、トイレや食器の共有は避けた方が安心です。


治らない病気であることが分かった時や、今はこんなに元気なのに近い将来病気になるかも、と言われてしまうと、飼い主の方のショックは計り知れません。でも、全てに悲観的になる前に、目の前の動物を見てください。動物は未来のことを考えて不安になり、現在の大切な時間をを犠牲にすることはありません。そして、病気になってしまっても、その時をしっかり懸命に生きているようにみえます。傍らで見守ることは本当に辛いことですが、最後まで、みてあげることが大切なこと、と私は思っています。それでも、悩みますし、人それぞれの考え方も違いますよね。正しい答えや決断は、きっと一つではありません。ペットと暮らすことは、彼らの命を預かること。なんて、重い、でも、楽しいことなんだな、と思います。


次回は、猫コロナウイルス感染症(伝染性腹膜炎)、これも、嫌な病気です。辛い


byハヤセ

posted by まなAH at 14:51| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年11月04日

感染症の話

すっかり秋らしくなりましたね。寒くなってくると猫が寄り添ってきます。うざいなぁと言いながら、体を動かさないように猫が去っていかないようにそのことばかりを優先して、体のあちこち、力が入ってのコリコリです(笑)。なんで猫のためにここまで。でも、共感される方も多いのではないでしょうか。


今回からは感染症シリーズです。 

今日は、猫の難治性ウイルス感染症について書きたいと思います。

難治性、というと発症したら根治が困難な病気と思ってください。これには3つあります。猫エイズ(猫免疫不全ウイルス)、猫白血病、猫コロナウイルス感染症(猫伝染性腹膜炎)です。

猫の死亡原因の統計(保険会社データ)では、順番に6位、7位、3位に入る病気です。ちなみに1歳未満ではコロナウイルス感染症が死亡原因の1位になるようです。病院にかかることなく、亡くなるケースもあるでしょうから、順位を鵜呑みにする必要はありませんが、治療をしても病気の進行を止められない、という点でこのランキングは納得できるものです。


猫エイズは、ウイルスを持っている猫の唾液から感染することが多く、ほとんどは猫同士のけんか、咬傷から感染します。感染してもすぐに症状はでません。無症状キャリア期という時期があります。そして、進行すると、ゆっくりと免疫系の細胞に感染を進めていって、免疫不全をおこします。発症したという線引きは難しいのですが、免疫不全から併発する様々な症状が慢性的に出てきて、治療しても改善しない状態になっていきます。ただし、エイズウイルス陽性でも、無症状のまま、寿命を全うしたと思われるほど、長生きをする猫さんも私は何匹も知っています。無症状キャリア期が何年も続く状態です。ここの時期に、栄養のバランスを考える、環境を整える(ストレスを避ける)、ワクチン接種(エイズ以外の病気の予防)、これらをしっかりとしてあげることが大切です。


猫エイズにはワクチンがあります。室内多頭飼いで、エイズキャリアの猫さんがいたら、他の猫さんたちにワクチン接種をお勧めします。また、避妊去勢もしておきましょう。交尾で感染するケースもありますし、未去勢の猫さんはケンカをする機会が多くなるからです。そして、外出する猫さんは、ケンカでうつされる可能性を考えて、ワクチンを射つことが望ましいですね。


割と長くなってしまいましたので、この辺で。次回は猫白血病のお話を。。。


byハヤセ

posted by まなAH at 17:16| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年10月14日

肥満の話

2週続けて台風上陸すごい風でしたね。皆さん、身の回りで被害はありませんでしたか?

こんな時、外で暮らす動物たち(野生動物やノラ猫)はどうしているんだろうと考えてしまいます。野生の感や習性で安全な場所にいるのでしょうが、心配になってしまいます。


さて、今回あるあるシリーズは肥満です。

気にされている飼い主の方も多いのですが、理想体重を維持するのは結構大変、ですよね。でも、肥満傾向にある動物には病気のリスクが伴います。関節や靭帯の病気、心臓病、糖尿病、呼吸器疾患など。そして、中高年になるとこれらのリスクは徐々に高くなってきます。年齢に伴い、体にあちこち不具合が起きてくることはありますが、それまでの食生活で防げるものがあれば防いであげたいですよね。ペットは自分の体重管理をできないことが多く、これらを管理するのは人間になります。責任重大なんです。とはいえ、なかなか落ちない体重。これには家族全員の理解と協力が必要です。

フードメーカーのヒルズのプリスクリプションダイエットのホームページから引用させてもらうと、体重5kgの犬が、クッキー1枚(60kcal)食べると、人ではハンバーガー1個分にあたります。猫でいうと、体重4kgの猫が、魚肉ソーセージ3分の1本(48kcal)食べると、人ではショートケーキ1個分にあたります。これは、毎日食べていたら大変なことになりますね。育ちざかりの中学生レベル……

この衝撃的な例えをしっかり覚えておくといいですね。「ちょっとだから」のレベルが、人とは違うのです。


まず、確認してみましょう。毎日のフード量(おやつも含めて)は決まっていますか?今の体重を知っていますか?1歳のころの体系と変わっていませんか?そして、体を触ってみて下さい。肋骨は触れますか?上から見て、腰のくびれはありますか?あれっと、思ったらご相談ください。


先日栄養学セミナーで、なるほどということを聞きました。体についてしまった脂肪を維持するには、脂肪を差し引いた体重分のエネルギー量で充分だということ。言いかえれば、理想体重の必要なカロリー数では、今、背負っている脂肪をなくすことはできない、ということです。悲しいことに。そして、犬では生後3年までに脂肪細胞の数が決まります。それ以降は脂肪細胞の大きさの変化になるので、幼年期の内に適正な体重で過ごすことが、将来の太りやすさを決定するそうです。少し極端な言い方かもしれませんが、これらも覚えておくとよいでしょう。


ワンコは祖先であるオオカミの血をひいていますから、群れで行動し、リーダーのもとに全てを決定します。食事もリーダーが先で、下位のものは残り物を取り合って食べなければなりません。そこで、食べられるときにたくさん、しかも、早く食べなければならない、という習性があります。決してあなたのワンコは食いしん坊なわけではないのです(たぶん笑)。習性ですから!そして、食べ物をあげることだけが愛情表現ではありません。遊ぶこと、人の役に立って褒められること、飼い主との関係はたくさんの信頼関係があります。


とはいえ、急激なダイエットはお勧めしません。ダイエットで、いきづまってしまったらご相談ください。


byハヤセ

posted by まなAH at 15:14| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年10月07日

耳の話

今回はあるあるシリーズの耳の話です。

ワンコやニャンコの耳のお手入れ、皆さんは定期的に行っていますか?


耳の病気で一番多いのは外耳炎です。耳の中に(正確には外耳道)に細菌やカビの仲間、ダニなどが繁殖して炎症をおこすものです。外耳炎ついては過去ブログ、Dr. mana の外耳炎の季節になりました をご覧ください。


外耳炎とも関連がありますが耳血腫という病気もあります。耳を頻繁に掻いてしまう、頭を振り続けてしまうという外耳炎の症状を繰り返すことによって、耳翼(耳そのものです)の中の血管が切れて内出血がおこり、耳に血液や体液が貯まる状態です。耳は膨らんで、触ると水風船のようがな感じに。立ち耳の種類では、貯まった血の重みで、耳が垂れてしまいます。耳は皮膚軟骨皮膚でできています。軟骨と皮膚との間は剥がれ易く、内出血して逃げ場のない血がそこに貯まることで、腫れの範囲は大きくなっていきます。

治療は、@外科手術 A針で貯まった血を定期的に抜く B Aをしたあとに薬を注入する などがあります。治療をしなくても長い時間をかけると、貯まった液体が体に吸収されて治ることもあります。ただし、耳がくしゅっと縮れてしまい、変形が残ります。ノラ猫さんなどでみられますね。耳血腫の絵は、私のレベルをはるかに超える難しさ(低すぎ)。アニコムさんの動物相談室からお借りしました。こんな状態です。

anicom動物相談室.jpg



そして、猫で意外と多いのが蚊のアレルギー。夏場に耳にブツブツができる、なんて時には疑います。蚊は毛の薄い耳、鼻などにとまりやすいからだと思いますが、たくさん刺されることでアレルギーを起こし、痒くて引っ掻いて傷をつくってしまうこともしばしば。猫の耳ではもう一つ、耳や顔から首あたりの皮膚がごわごわ分厚くなり、毛が抜けて黒ずんでくる、こんな時は疥癬、ダニの仕業です。

また、扁平上皮癌という腫瘍があります。体のどこにでも発生しますが、猫では耳の先端にできることも多く、これは日光(紫外線)との関連があるといわれています。扁平上皮癌は潰瘍をつくり、耳の先端が脱落してしまうことも。白猫に多い傾向があります。


最後に、耳のお手入れでお伝えしたいことがあります。どうかこすりすぎないで下さい。特に、炎症をおこしているときは、痛いです。皮膚炎でも赤くなってじくじくしているところを、乾いた綿棒やコットンでごしごし、なんてしないですよね。腫れがひどいときは薬で炎症をとってから、が基本です。取りたい耳垢は、イヤークリーナーでふやかしてから、ぶるぶる頭を振ってもらいイヤークリーナーとともに自分で出してもらいましょう。最後に耳の入り口にに残っている耳垢をやさしく拭き取ることです。なかなか改善しない外耳炎では、耳道内に腫瘍があることもあります。動物病院で定期的にチェックしましょう。


by ハヤセ

posted by まなAH at 15:06| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年09月30日

眼の話

歩いていると、あちこちで金木犀の香りがしますね。大好きな季節です。


さて、今回はあるあるシリーズ、眼の話。


まずは、目やに。毎日ちょっとずつ付いている目やに、これは異常なの?と考えること、あるかもしれません。大まかですが、透明や少し白っぽい目やには健康な目です。乾くと赤茶色っぽくなってくっついていることが多いです。眼の周りをきれいにするときは湿らせたコットンや綿棒で、毛にこびりついた目やにをふやかして、優しく取り除いてあげてください。ノミとりくしを使うと便利です。しっかりとふやかしてから取ってくださいね。


そして涙。涙ってとても大切なものなのです。感染防御の役割や、眼球に傷があるときに治癒に必要な成分を含んでいます。成分は水だけでなく、水、油、ムチン(粘性物質)の3つからなり、層を形成して眼球の表面(角膜)を守っています。これを、眼瞼(まぶた)が瞬きをすることで、ワイパーのような役割をして角膜に広げています。お気付きでしょうか?ワンコは人より瞬きが少ないこと。にらめっこして対決してみて下さい。敗北感を味わうことになると思います(が痛くなるからほどほどに)。眼が大きなワンコは瞬きが不十分で、眼の中央まで涙がいきわたらないことが多く、角膜が傷つきやすくなったり、傷が治りにくかったりします。シーズーや、パグ、フレンチブルドックなどの短頭種に多いですね。


次によく聞くのは眼が白くなってきたという相談。ご存知の白内障。水晶体が濁る症状です。ただし、加齢性の変化で核硬化症とよばれるものも水晶体が白くなってきます。後者の場合は視力に影響はなく、均一に白くなってきます。


目やにの量が多い、眼がショボショボしている、眼の色が変?こんな時は病院へ。目やにを取ってあげることは必要ですが、眼の診察を目的にしているときは、目やにが付いたままでご来院ください。


最後にプチ情報!人にはできない眼の動き。動物は眼球を後方へ引っ込める動きができるんですって。

posted by まなAH at 20:34| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年09月16日

肛門腺の話

連休、明けましたね。お天気もまあまあでしたから、お出かけされた方も多かったのではないでしょうか。


さて、今回はあるあるシリーズ、肛門腺です。

おしりをしぼる?肛門しぼりって何?におい袋?正しくは『肛門腺』といって肛門の脇にある臭腺のことです。臭腺は、匂いの強い液体が分泌されるところです。スカンクもお尻にも、ウサギのお尻にもあります。ハムスターでは背中やお腹にありますね。実は、ジャコウまたはムスクとよばれる生薬や香水の成分は、ジャコウ鹿の腹部にあるじゃこう腺からとれる成分です。えーっ!ですよね。人は嗅覚が衰えているので、臭腺は退化して、アポクリン腺(耳の奥や脇の下などにあります)がその名残として存在します。

腺というのは何かを分泌している組織です。汗は汗腺から、涙は涙腺から出ます。肛門腺は臭いの強い液体を分泌して肛門嚢という袋に貯めています。それを嗅ぐことによって、動物は挨拶したり、なわばりに自分の存在をアピールしているのです。スカンクは身を守るためにも使っているようですが。犬猫では、びっくりした時や排便の時に出していますが、貯まりすぎてしまったり、肛門嚢内で炎症が起こるとお尻を床にこすりつける動作をしたり、舐めたりと、症状が出てきます。ひどくなると肛門の脇に穴が開いて貯まった内容物が出てきます。

肛門腺は貯まりすぎなければ、しぼる必要はありません。でも、貯まりやすい(あまり出していない)場合は、定期的にやってあげた方がいいですね。

しぼり方のコツは、尾をしっかり持ち上げて、肛門嚢の位置を確認することです。肛門嚢は肛門の両脇、ま横より少し下の位置にあって、内容物は肛門粘膜のちょうど両端(時計で9時と3時の位置)にある穴と、つながっています。肛門をちょっとめくらないと見えません。肛門は普段、キュッと閉じていますので。穴の確認はしなくてもよいですが、肛門嚢をつぶすように穴に向かって押し上げると、2つの穴から出てきます。

また、肛門と言えば、犬で多いのが肛門周囲腺腫という腫瘍です。去勢をしていない雄犬で発生することが多く、去勢することで消えてしまうこともあります。良性のものが多い印象がありますが、じくじくしたり、大きくなるとやっかいですし、悪性化して転移することもあります。今まで一度だけ、若い雌でもみたことがあります。

肛門腺.png
posted by まなAH at 15:48| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年09月09日

爪切りの話

昨日は中秋の名月。

お天気がいまいちでしたが、月を愛でる日、とても素敵な習慣ですね。


今回は身近な、あるあるシリーズ、爪の話。

まずは爪切り。

よく耳にするのは「爪をどこまで切っていいのかわからない」や、「血が出たことがあって、それ以来怖くて切れない」といった話です。

犬の場合、爪の色は白や黒で様々です。ここの指は白いけど、こっちは黒なんてことも。白い爪ではうっすらと血管が透けてみえますが、黒いとどこまで切っていいのか怖いですよね。ものすごく単純ですが、ちょっとずつ切っていきましょう。爪の断面の真ん中に違う色(私は白いろうそくの様な色、と言ってます)の組織が出てきます。それが止めとけ!のサインです。それ以上進めると、その中央の芯の部分がだんだん大きくなり、血液の色が透けて見えてきて、出血につながります。その手前で止めて、今度は周囲をちょっと削ります。イメージは鉛筆を削るような角度でしょうか。これでOKです。

道路をよく歩いているワンコは爪が勝手に削れるので、爪切りの頻度は少なくなります。おー、君はお散歩好きなんだな、とすぐわかります。また、爪を見ることで、歩き方の癖がわかったりもします。着地の角度によって、爪の削れる位置が異なるからです。

爪のトラブルで多いのは、爪が折れる、のびすぎて巻き爪になる、でしょうか。どちらも爪切りをすることで予防できるトラブルといえますね。

爪の病気では、爪の付け根に出やすい悪性の腫瘍というものがいくつかあります。見てわかるようなできものがあったり、付け根がいつもじくじくしている時は要注意です。


猫の場合、しっかり爪とぎができているニャンコでは、爪切りは絶対にしなければならないことではありません。人と暮らすルールで切ることになります。痛いですからね。ただし外へ出る猫は、爪が必要な場面に遭遇することもあるので(戦う!登る!)切らないであげて下さい。

爪とぎをしなくなると、爪が厚くなり、隠せなくなったり巻き爪になります。お年寄りの猫さんでよくあります。爪を切ってあげると爪の伸びる方向と平行に、縦に爪がはがれてきれいな爪の形が出てきます。猫の爪は、平べったいので人用の爪切りでも切ることができます。ほとんどの猫は、血管が透けて見えてますので、それを目安に切っていくといいでしょう。そして猫の爪は、意外と汚れやすい。中年以降になると、黒い垢がついていることが多いです。猫は、指の間もよく舐めていますよね。体調不良などで、お手入れする余裕がなくなると、だんだん汚れてきます。

猫でも、爪が折れてしまうこと、結構あるんです。室内飼いの場合でも(涙)。無茶をしたり何かに引っ掛けたりするんですよね。爪切りをしていなかったから折れた、というケースではないように思えます。

爪の病気では、付け根のところの細菌や真菌の感染症が挙げられます。じくじくしている、やたら舐めているときは病院へ。


byはやせ


posted by まなAH at 14:04| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年09月02日

肝臓の話

9月に突入!ですね。今年も3分の2過ぎてしまいました。年々、時間の経過が早く感じます。

今回は肝臓の話、最終回。黄疸の話です。

血液検査でTBillが高い場合、「黄疸が出てます」と伝えています。ビリルビンという物質が一定以上血液中に出ていることを呼びます。ひどくなると白目や粘膜(口の中や結膜)、皮膚も黄色っぽくなってきます。しつこいようですが、みかんを大量に食べて手のひらが黄色くなるあれとは違います(笑)。

大まかにいうとビリルビンは肝臓で作られて胆汁酸という消化液として腸へ運ばれ、腸から吸収されてまた肝臓に戻ってきます。肝臓が悪くなったり、胆汁酸の通路(胆嚢、胆管)で渋滞がおこると黄疸が出てきます。治療は点滴や強肝剤、利胆剤を使うことになりますが、何らかの原因で胆嚢、胆管がつまっている場合、手術が必要になることも。急激にTBillの値が高くなったときは要注意です。でも、つまりが解除されると、胆汁酸が流れがよくなり、うわーっと気持ち良いくらいにTBillの値はきれいに下がっていきます。


さて、いかがでしたか?肝臓は何をしていて、肝臓が悪くなると、どうなるか?血液検査でどこをみたらいいのか?少しでも参考になったり、興味を持っていただけたら幸いです。

最後にもう一度、イラストで肝臓の位置を確認しておきましょう。この辺です。


肝臓犬.pngbyはやせ


posted by まなAH at 20:30| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年08月26日

肝臓の話 血液検査編

八月も最終週ですね。早い


今回は肝臓に関連する血液検査項目の話です。検診や体調不良で血液検査をすること、ありますよね。そんな時にアルファベット3文字でたくさん出てくる項目、あれです。その中の肝臓に関わるものを挙げてみます。イヌとネコでのお話です。

1 肝臓に病変の可能性がある場合

ALT,AST,ALP,GGT,TBillの異常値がみられます。

2 肝機能に異常の可能性がある場合は更に

TBill,Alb,Glu,Tcho,BUNの異常値がみられます。

1の時は肝臓に何かトラブルがあるけれども、肝臓は働けている、という考え方です。2では、肝臓がつくっているもの(代謝物)が減っているので肝臓の機能に異常がある、という状態です。かなり深刻と考えてよいでしょう。


1の項目について主に書いていきます。

肝細胞の腫大(腫れている)や炎症、壊死がある場合ALT,ASTが高くなります。これらは肝細胞の細胞質に溶けている酵素なので、細胞膜の障害があるとそれが細胞の外へ出て血液の中に増えてきます。

ALTは肝臓に特異的な酵素なのでこれが高いときは肝臓に異常がある、と考えます。そして数値の増加は障害肝細胞の量に比例します。数値が500U/l以上だと、肝臓全体に病変がある可能性があります。障害が一過性なら23日で数値は下がってきます。この期間で50%減少していれば予後としては良好なことが多いです。

ASTは肝臓以外の細胞にも存在します。心臓の心筋細胞や骨格筋など。つまり、これらの心臓疾患や筋肉の損傷や炎症でも数値が上がるのです。そして、肝臓の細胞ではALTよりも細胞外へ漏れ難いため、肝臓に障害がある場合、ALT>ASTとなっていることが目安になります。逆のときは心臓や筋肉の障害を疑います。

次は胆道系の酵素ALPGGTについて。

ALPは肝臓では胆汁が通る胆管内側や毛細胆管膜に存在する酵素です。胆汁の流れが悪くなったり、胆管に炎症があると1週間くらいで産生増加が起こり、膜から漏出してきます。また、骨にもあるので(血液の中のAJP1/3を占める)、骨の成長する時期や骨腫瘍でも上昇します。そして犬ではコルチコステロイドでも上がります。コルチコステロイドは、体の中(副腎)でつくられているホルモンですが、これが過剰に分泌し続ける病気(クッシング症候群)ではALPの上昇がみられます。また、外因性のコルチコステロイドでも上がります。ずっと投与を受けている犬では投与中はずっと上昇しているのが普通です。

GGTも肝細胞の毛細胆管膜にある酵素なので胆道系にトラブルがあると高くなります。ALPが高いけど、肝臓なのか骨なのか?と迷った時などはこれを確認すると判別しやすくなります。

TBillについては次回に。。。


肝臓は再生能力が大きい内臓です。そして再生中でも障害との時間差で異常値が出ることがあったり、肝臓以外の影響で異常値が出たりもします。検査結果の解釈は難しいですね。

posted by まなAH at 15:07| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年08月19日

肝臓の話

暑さの中にも涼しい時間帯が感じられる時期ですね。夏もいいですがそろそろ秋のおいしい食べ物も気になるようになってきました。おいしいもの、多いよな〜。


先週に続いて肝臓の話。今回は病気について、です。


肝炎

中毒性肝障害

胆管炎/胆管肝炎

胆汁鬱滞

胆泥症/胆嚢粘液嚢腫

肝リピドーシス(脂肪肝)

肝臓腫瘍


もちろん、他の病気もありますがよく遭遇するものを挙げてみました。

犬では、肝炎、胆汁鬱滞、中毒性肝障害、胆泥症/胆嚢粘液嚢腫

猫では、肝リピドーシス、胆管炎/胆管肝炎

がそれぞれ多いように思えます。

炎、と付くものは字のごとく、炎症を起こしている状態です。感染症(ウイルスや細菌、寄生虫)によるものと非感染性(非化膿性)のものがあります。

中毒性は薬物や毒物による肝障害。それらを一度にたくさん食べてしまって一気に発生するものと、病気の治療で持続的に薬をのんで起こる場合とがあります。

肝リピドーシスは猫に特異的で、肝臓に脂肪が過剰に蓄積されてしまった状態です。なぜそういうことが起こるかというと、食べ物が食べられない状態が続くと、体が飢餓状態と認識して体の中の脂肪を肝臓に蓄えてしまうのです。ですので、脂肪をたくさん持っている(!?)猫の方がなりやすいといえます。

胆汁鬱滞は胆汁の流れが悪くなり、肝臓や胆嚢〜胆管に胆汁が貯まりすぎてしまうことです。胆汁は肝臓内でつくられて肝臓の中の多数の小さな管を通って胆嚢に貯められます。胆汁は消化酵素のひとつですので、食べ物を食べると胆嚢が反応して縮み、出口である胆管を通って十二指腸へ流れていきます。胆汁鬱滞はこれらの流れが悪くなった状態です。

胆泥症は胆嚢に泥状の内容物が貯まった状態。胆嚢粘液嚢腫は胆嚢の壁に粘液質の物質が形成され、徐々に大きくなっていくものです。


肝臓の病気ははわかりやすい症状が少ないため、また、無症状で進むこともあるため、血液検査で異常値がみつかって検査や治療が進められることになります。血液検査の異常値で肝臓自体の問題なのか、胆管か、胆嚢か、また、変なものを食べてしまったか、内服をしている最中か、年齢は?などアタリをつけていきます。そしてエコーの検査や生検(肝臓の細胞の病理検査)が必要なこともあります。それでも、共通した治療は、点滴と強肝剤、栄養摂取です。加えて病態により、利胆剤や抗生物質、胆嚢収縮を促す薬を使用していきます。血液検査の肝臓の項目は病気が治っていくとたちまち数値の改善がみられます。これは心強いですよね。唯一、数値がよくなっているようで病気が進行しているケース、それは肝硬変です。


では、来週は肝臓の血液検査の解釈の仕方、についてお話します。


byはやせ

posted by まなAH at 14:54| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年08月12日

肝臓って何?

お盆の時期ですね。帰省したり、旅行に行ったりと満喫されていますか?

子供のころの夏休みは大きなイベントがなくても、振り返るとたくさん思い出があるような気がします。

小学校のプールや、中学の部活の練習。大人になって、炎天下のグラウンドで運動する暑くてだるそうな子供たちを見ていたら、友人が、『彼らは気が付いていないけど、今はとっても幸せで、大切な時間なんだって、数年後にわかるんだよね。教えてあげたいよ。』と言っていました。名言だなぁ、と感心。もちろん、大人になっても充実した時間はたくさんあるはずですが、何かが違うと思うのはわたしだけでしょうか。。。年とったってことかな(笑)


さて、今回はざっくりとしたテーマですが、肝臓の話です。

まず、肝臓はどこにあるか、です。腹腔内の上の方(前側)、つまり横隔膜のすぐ後ろにある内臓で、後ろの方の肋骨(あばら骨)あたりまでを占めています。肋骨越しには触れませんが、肝臓が腫れてくると肋骨よりも後ろまで大きく張りだすので、外から触ってもわかるようになることがあります。

肝臓とは、グリコーゲン貯蔵・糖新生、タンパク質合成、凝固因子合成、脂質代謝、胆汁酸代謝、ビリルビン代謝・排泄、アンモニアの解毒・尿素サイクル、薬物の代謝・解毒・排泄、網内系による血液内異物の除去、を行っている内臓です。働き者です。体に入ってきた栄養素を代謝して蓄えたり、必要なら作りだしたり、毒素を排泄させたり、脂肪の消化吸収にも関わります。ですので、肝臓が悪くなると、必要な栄養素が不足し、毒素が体に蓄積され、体のあちこちで症状を出します。といっても、症状は主に、

吐くようになる

体がだるくなる

こんなことが多いです。割と、はっきりしない症状が多いですね。ただし、ひどくなると、

体が黄色くなる(黄疸)

神経症状(肝性脳症)

けいれん発作(低血糖)

腹水や全身の浮腫

血液凝固時間の延長(血が止まりにくくなる)

こんなことが起こってきます。

ちなみに、みかんをいっぱい食べたときに手のひらなどがが黄色くなるのはカロチノーシスといって黄疸ではありません。このときは白目や結膜は黄色くならないのが違いです。カボチャやニンジンでもカロチノーシスになることがあるんだそうです。ちょっと余談でしたね。


では、来週は肝臓の病気についてお話します。


by はやせ

posted by まなAH at 15:01| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年07月29日

猫との暮らし

夏、本番ですね。蝉の声や病院のペットホテルが多くなると、夏を実感します!


今日は、病気ではないですが、猫のストレスについての話を書きたいと思います。先日、猫の行動学というセミナーに参加し、いろいろ興味深い話を聞いてきました。いくつか書いてみますね。


猫にとっと大切な行動の一つは、捕食行動だそうです。狩りをして、食べ物を得るという行動です。そしてこれは、ほとんどは失敗するもので、楽に食べ物にはありつけないというのが本来の姿なのです。室内飼育の猫では全く満たされていない行動かもしれません。これを満たしてあげるには、@フードの与え方の工夫と、A疑似狩り遊びをすること、だそうです。@はドライフードを一粒づつ投げて与えたり、あちこちに隠しておいてみたり、穴を開けたタッパに入れて自分で取り出して食べる、など。Aは、おもちゃで遊んであげること。遊ぶ時間は短くてOK。そのかわり何回もしてあげること、だそうです。狩りのチャンスはたくさんあるけれど、失敗がたくさんなのでそれで十分なのだそうです。

猫は勝手になんでもおもちゃにして遊んでいますよね。楽しそうでかわいい。。。と微笑ましく見ていましたが、猫にとって大切で必要な時間なんですね。大人になっても必要な行動です。


そして、爪とぎ、マーキングも大切な行動です。爪とぎ場所は複数個所用意してあげること。マーキング(頬や顎、尾の付け根、指の間からフェロモンを出しています)箇所は拭き取らないこと。(ガーン、やっていました汚れてくるし)

外の匂いを持ち込むこと、外の猫の匂いもストレスになります。

捕食行動やテリトリーを守る行動は犬よりも猫の方が強いそうです。


最後に仔猫を初めて飼ったら。。。の話

遊ぶ、なでる、は、猫から求めたときのみで。強いないこと。

遊ぶことも、飽きたり嫌になる前に止めること。

基本、目線は猫より下になるように。猫が落ち着く場所は高めに設置してあげるなど。高い方が猫は安心します。

目を凝視しない。

なでる部位は頬や頭がお勧め。それ以外は嫌がることが多い。

体罰や強い叱責はしない。


ずいぶん気をつかわなければいけないように思えますが、本来の猫の性質を尊重するとこうなるようです。もちろん厳格にこんな飼い方をしていなくても、家族と楽しそうに、ストレスを感じさせずに過ごしている猫もたくさんいます。気難しい猫さんには、少し参考になるかもしれません。それにしても、犬とは全く異なりますよね。動物と暮らすこと、おもしろくて勉強になります

posted by まなAH at 15:27| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年07月15日

おしっこの話し 最終回

蒸し暑くて辛い天候ですね。でも、夏は確実に近い。。。


今回は、おしっこの話最終回です。


おしっこのことで、外せない(?)と思われる病気の一つに犬の前立腺の病気があります。

前立腺は雄の副生殖腺で、交尾時の精液中に含まれる液体成分の大部分を分泌している臓器です。骨盤の内腔に納まっていて、形はクルミのような感じ。尿道を取り囲むように存在していて、そのすぐ上には直腸があります。前立腺は雄犬の性成熟期を過ぎても発達を止めないといわれており、それは4〜6歳頃まで続くという報告があります。性ホルモンに反応して大きくなるのですが、加齢に伴って性ホルモン(一つではないのです)分泌のバランスがくずれたり、前立腺自体のホルモンを代謝する機能の低下によってホルモンが前立腺にたまってしまい、病的に肥大がおこるのが、前立腺肥大です。

症状は、便が出にくくなる、細くなる、おしっこのキレが悪いなど。前立腺が大きくなることで直腸を圧迫して便の通り道を狭くしたり、尿道もせまくなるためです。前立腺肥大から、前立腺のなかに空洞が形成されてそこに液体や、血が貯まったり、前立腺に炎症が起こり、膿が貯まったり、腫瘍ができることもあります。そうなるとおしっこが出なくなったり、血が混ざったトロッとした液体がおしっことは関係なくポタポタと出てきたり、痛みを伴うことがあります。

治療は基本的には外科手術で性ホルモンを分泌している精巣を摘出することです。ほとんどは、術後に小さくなりますが、手術でも改善しないケースもあります。内科的な治療として、薬でホルモンをコントロールする方法もありますが、再発や内服の副作用など課題もあります。

予防としては若いうちに去勢手術をすること、になります。

posted by まなAH at 15:48| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年07月08日

おしっこの話B



蒸し暑い時期ですね。



台風も近づいてきている様子。移動などは気を付けて下さいね。



 



今回はおしっこの話3回目です。尿石症のシュウ酸カルシウム結石についてお話します。



ストラバイトと同様、よく遭遇する結石で、5歳以上の犬猫で見つかることが多く、犬では雄の方が圧倒的に多いようです(全体の80%)。



結石ができる原因は、カルシウムとシュウ酸塩が尿中に多いこと。高カルシウム尿は代謝異常などでおこることがあります。ホルモンの異常などにより血液中のカルシウム値が高いと尿中にも増えてきます。それらの基礎疾患がある場合はそちらの治療をすることになりますが、そういうケースが多いとは限りません。また、カルシウムを多く摂取したからといって高カルシウム尿になるとはいえません。カルシウムは体内で複雑な機序で調整されています。例えば、リンの摂取が十分にあれば、カルシウム量が調節されてシュウ酸カルシウム結石がつくられるということにはならないのです。また、カルシウムは、腸管の中ではシュウ酸とくっついて、シュウ酸が体内に吸収されるのを防いでいるので(あー、ややこしい)、カルシウムを制限した食事を行うと、腸から排出されるべきシュウ酸が減ってしまって、結石のリスクが高くなるともいえるようです。



一方のシュウ酸塩はビタミンCやアミノ酸の最終代謝産物なので、それらを制限した食事というのは栄養学的に適切ではありません。もちろん、過剰に摂取することは勧められませんけれど。



残念ながら、シュウ酸カルシウム結石溶解食はありません。なので再発の多い結石症です。たくさん水を飲む、排尿をさせる尿を貯め込まない、ことが大切です。そして、石が大きくならないうちに出す!ギリまで育てて(?)しまっても、尿道の直径が一番小さい所を通る大きさ以下で出す!これです。



ちなみに、だいたいですが、その直径とは、



雄犬で 13mm  雌犬で 1015mm



雄猫で 1mm未満 雌猫で 5mm未満



ん〜、雌がラッキーですね。犬は種類(犬種)によって差があります。



 



おしっこの話、次回も続きます。



 



posted by まなAH at 15:49| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年07月01日

おしっこの話A



今回はおしっこの話、2回目です。



定期的に尿検査で動物病院に通われている飼い主の方、結構いらっしゃいますよね。



食事管理と定期検査が大切な病気は。。。尿路結石です。



体の中で石(結晶)ができてしまう場所といえば、胆嚢・胆管、そして尿路(腎臓・尿管・膀胱・尿道)で、それぞれ胆石と尿路結石と呼ばれます。原因は体質であったり、代謝異常(肝疾患やホルモン異常など)、感染症などで、それぞれできる石の種類が違います。



尿路結石で私たちがよく目にするものは、ストラバイトとシュウ酸カルシウム結晶です。



ストラバイトは、リン酸アンモニウムマグネシウムの結晶で、以下に挙げる原因で出てきます。



1.ウレアーゼ産生菌による細菌性尿路感染症



2.アルカリ性尿



3.遺伝的素因



4.食事



犬では1が多く、猫では1以外の原因が多いようです。アルカリ性尿というのは尿のPHが高いこと。巣具体的にはPH6.8を境にストラバイトは結晶になったり、溶解したりしています。PHの数値が大きい方がアルカリ側、小さい方が酸性側です。ウレアーゼ産生菌というのはブドウ球菌属やプロテウス属などの微生物のことで、これらが尿路に存在(感染)することによって、尿中の物質とウレアーゼが反応してアルカリ性尿になり、ストラバイトができてしまうのです。結石が形成されて大きくなる際に、周りに細菌がいると細菌が結石の一部にくっついて取り囲まれてしまったり、、炎症を伴っていると炎症によって出てくるタンパク質なども結石の中に含まれてしまうことがあります。これらが、石を溶かす治療中に再び尿の中に放出されてしまい、悪さをすることもあるようです。



治療は食事療法と、感染症があれば抗生剤を使います。食事は、ストラバイト溶解食といって、結石の材料となる成分が少ない、尿のPHを下げる(酸性化)、などの効果があるものを使います。



 



意外と長くなってしまいました。次回はシュウ酸カルシウム結晶についてお話します。



posted by まなAH at 15:16| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年06月23日

おしっこの話



今回からはおしっこの話です。



おしっこといえば、わたしの布団は、昨日も猫のトイレになりました(涙)



トイレシートを敷き詰めていたのに・・・  



1日の内で、さすがに3回目のおしっこ(しかも、全て布団の上。。)は、



シートをほりほりシートしわ寄るくちゃくちゃにまとまるそして裏と表が混じった面にしっこするしっこ流れるしっこ布団にしみこむ終了   あ〜ぁ。。。



 



脱線しそうになりました。すみません。



 



おしっこ、といえば、日々、目に触れる健康チェックの一つです。



色、におい、量、排尿時の様子など意外と情報がたくさんあるんです。



 



膀胱炎では血が混じって赤くなります。また、血は膀胱の下の方に沈んでいるので、排尿の最後の最後に血の色が濃くでます。そして膀胱に炎症がある場合は、たいてい頻尿になり、残尿感を感じて、一度おしっこをすると、そのあとに何度も、もう出ないのに排尿の姿勢をとってしまいます。



膀胱炎の原因は、細菌感染や膀胱結石、特発性(猫に多い)、腫瘍などがあります。これらは尿検査や画像診断(エコーなど)で診断していきます。見た目で赤くなくても、尿検査で血液の反応が出ることも少なくありません。少量の出血では赤くならないのです。色の変化は、外で排尿する猫や、夜間にお散歩する犬では発見が遅れることもあるので注意が必要です。赤いおしっこなのに頻尿がないときには、膀胱よりも上、腎臓や尿管(腎臓と膀胱をつなぐ管)で何かトラブルが起きていることも考えられます。排尿時の様子、大切ですね。



 



オレンジ色が濃いおしっこは、尿が濃い場合(朝一の尿や、脱水しているとき)か、黄疸の疑いがあります。これらは尿検査で判断できます。また、重度の黄疸ではおしっこ以外でも、全身が黄色っぽくなります。白目や皮膚、口の中。。。



 



透明なおしっこは、薄い尿を出している可能性があります。たいていは薄くてたくさん出ています。たくさん出るということは、水分が失われるので、のどが渇いて水を飲むようになります。多飲多尿という症状です。この症状が出る状態は、腎機能が低下している、高血糖(糖尿病)、ホルモン異常などです。もちろん、水をたくさん飲んでしまった(暑い、おいしいスープなど)場合も排尿量がふえますが、一時的なことがほとんどです。程度にもよりますが、1日の飲水量が 体重kg×100ml を超えるということが1週間以上続く場合は治療が必要な病気を持っている可能性があります。ただし、残念ながら、腎機能低下は進行に伴って多飲多尿の症状がひどくなります。治療をしても腎臓は元には戻らない(腎移植を除いて)ので症状の悪化は止めることはできません。



 



今日はこのへんで。



おしっこの話、まだ続きます。



 



posted by まなAH at 15:59| Dr.ミチコの「ペットの病気」

2014年06月10日

猫の偽妊娠



先週は犬の偽妊娠の話でしたが、今日は猫の偽妊娠の話です。




猫の発情は季節性で、春先〜秋にかけて発情を繰り返します。個体差がかなりあり、周期はさまざま。



そして、交尾排卵動物なので、交尾がなければ排卵は起こりません。ただし、交尾のような刺激があったり、無精子の雄猫と交尾をした場合などは、排卵が起こります。排卵が起こると、偽妊娠の症状が出ることがあります。治療は犬と同じになります。犬と比べると偽妊娠の症例は非常に少ない印象があります。排卵が起こる確率が少ないことと、避妊手術をしている猫さんが多いからかもしれません。




猫の発情といえば、鳴き声に悩まされた方がいらっしゃると思います。それが原因で避妊手術を決心した、なんて話も少なくありません。たまーに、室内飼いでも、「そんなに気になるほどうるさくないから
.....」といわれる雌猫さんに出会うこともあります。がっ、たいていは驚くような大声だったり、知り合いの家では、「今、誰か『ヤッホッ』って言った?」なんて会話が交わされることもあったそうです(笑)。動物の発情期は異性にそれがきちんと伝わる行動や匂いでアピールするといわれています。それを隠している(意図的ではないにしても)動物は人間だけなんですって。人間って凄い?



 



posted by まなAH at 15:36| Dr.ミチコの「ペットの病気」