2014年02月11日

居候猫「そら」C ~自宅での補液治療~

 
 そらはドライフードも少し食べるようになりました。ここぞとばかりに、腎臓用の療法食を混ぜてみましたが、きれいによけて市販の美味しいごはんを選んで食べています。どうやって選別するのか、どの猫も好きなごはんと嫌いなごはんを分別する能力を持っています。粒を混ぜても、いらないものはきっちり残す。。。不思議です。
 

 そらの体重は4.4kgで安定しています。元気な時は5.5kgあったので、明らかに痩せていますが、まだ脂肪があるので、ここで少しでも体重を維持できれば、筋肉を消耗することなくがんばれます。逆にここで安心して、ちょっとした食欲不振を見過ごすと、あっという間に脂肪がなくなり、自分の筋肉を栄養源に変える体になってしまうので、油断禁物!!ですね。


  
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~皮下補液治療について~

 慢性腎不全の治療として 病院あるいは自宅での皮下補液があります。病院によっては、この治療法が嫌いな先生もおられるので、すべての病院での選択肢ではありませんが、当院では積極的に勧めています。

 犬猫の点滴の種類は2つ、静脈点滴と皮下点滴があります。静脈点滴は人間とおなじ、腕からの点滴です。もうひとつ、犬猫は人間と違って皮膚と筋肉の間に点滴液を貯めておける隙間があるので、その隙間に補液をするのが皮下点滴です。

 静脈点滴は血液の中に直接補液できるので即効性があり、食欲不振の時には栄養分を足すこともできます。しかし獣医師の管理下で行うので入院治療になります。輸液チューブをつなぐので、自由に動き回ることはできません。

 皮下点滴は、吸収に時間がかかり薬剤の制限もあるので、静脈点滴ほどの効果はありませんが脱水補正ができます。補液の中に、代謝活性剤やビタミン剤・抗生剤など必要に応じて足すことができます。この方法は、最初に病院で説明を受けてもらえば、自宅での治療が可能になります。自宅でいつも通りの生活をしながら、1日1,2回が目標です。(ただし、末期の腎不全になると脱水が進行し皮下からの補液吸収ができなくなるので適応外になります)

 『脱水』については、なかなか理解していただくのが難しいのですが・・・。
診察室で「この子、脱水していますね」というと「いいえ、お水はたくさん飲んでいます」と答えられることが多々あります。お水は飲んだらオシッコになって体から出ていきます。どんなにお水をたくさん飲んでいても、ご飯を食べなければ脱水はどんどん進行します。脱水のとは、体の細胞の中あるであって、水道水のではないのです。

 自宅での補液にはコツがあるので、初めは相談しながらできるだけストレスがかからない方法を探ります。背中にチューブを固定する方法・1回1回針を刺して点滴バックから補液する方法・大きな注射器で短時間に補液する方法などがあります。いずれにしても一人では大変なので、ご家族の協力が必要です。 点滴補液の中身は、個々によって違います。脱水の度合い、感染の有無、食欲の有無、嘔吐の有無、あるいは通院の間隔によっても違ってきます。

 時々「脱水を一時的に治すためだけに皮下補液をするのは、可哀想で嫌です。そこまでして延命するのは不本意です。」という飼い主さんもいらっしゃいますが、私はこの治療を延命治療だと思ったことは一度もありません。皮下補液は脱水してだるくなる体を元に戻し、吐き気をとめ、尿毒症を起こさないための最小限かつ前向きな治療だと思っています。 

 しかしもしも、動物自身が皮下補液を嫌がって毎回ひどく暴れたり、ストレスで補液後にぐったりするようであれば、目的を逸脱していることになります。そんなときは、別の方法を考える必要があります。

 また、自宅での注射が飼い主さんの負担やストレスになってしまうようであれば、「治療は病院で行い、自宅ではゆっくり休ませる」方が良いでしょう。  Dr.mana


 
 
 

 

 

 

 
 

 
 
 
 


  
posted by まなAH at 09:00| 猫のいろいろ