2014年01月26日

居候猫「そら」A 〜腎不全の治療〜

 
 
 居候猫「そら」
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 毎日、食べたいものだけを少しずつ食べています。
 最近は肉よりも魚が食べたい様子。
 今日は「かつおのたたき」を食べました。
 院内散歩とスタッフの靴での爪とぎが日課です。
 高い所へも上りますがふらつくこともあり、何度か着地に失敗してからは降りたいときに少し甘えた声でスタッフを呼ぶようになりました。無理して飛び下りられるよりも、その方が安心です^^

 

~腎不全の治療法~

 主な治療法として

 1 食餌療法
    腎臓療法食は(腎臓に負担をかける成分を取り除き、不足しがちな成分・代謝を活発にする成分が添加されている)
    療法食が食べられない場合は市販のフードに毒素吸着作用のあるサプリメントを添加する。
      
    食欲がない場合は、好きなものを。(脱水させないことが重要)
     
 2 輸液療法(静脈点滴・皮下補液、病院または自宅で)
     脱水の補正・栄養補給・電解質補正・血液PH・感染防止などの目的
     ベースとなる点滴液に必要な薬剤を混ぜて補液を行う     
 3 内服薬
     腎臓で濃縮排泄すべき毒素を、消化管で吸着して便中に排泄

 補助治療として(状況に応じて)
 

 
  血液拡張剤・貧血治療・ 降圧剤療法・消化管潰瘍治療・利尿剤治療

 その他の治療として

  
サイトカイン療法・ステロイド療法

 すべての治療法を細かく説明することはしませんが、状況に応じて治療の選択肢は違ってきます。前回『腎不全は治らない』と書きました。それは治療を「あきらめてください」ということではありません。多くの猫が腎不全になりますが、猫自身は人や犬と比べて腎不全の状況に強い動物です。だからこそ、できるだけ腎臓の負担を除き続け、食欲を保ち、尿毒症という末期の状態を迎えずに、少しでも寿命の年齢に近づけてあげることが治療の目標です。

 腎不全の猫を抱えたことのある飼主さんならば、おそらく治療の途中ですべてが「対象治療」に思えてくることがあると思います。治療の途中で「嫌がる注射を何度もうって延命するのは嫌だ」と挫折される方もいます。しかし、私は、これらの治療を延命治療だと思ったことはありません。生きるべき時間をいかに苦痛なく生きさせてあげるか、腎不全の進行をどれだけゆっくりにしてあげるかが目的の治療です。

 腎不全を完治させる注射・魔法のサプリ・奇跡の水・・・猫の腎不全をネットで検索するととてもたくさんの情報がでてきます。私が今治療に使用している薬やサプリメントは、効果が科学的に検証された物が中心です。立場上「なんとなく効きそう」というだけでお勧めすることはできませんが、使用してみたい商品があれば個別に相談してください。他の猫ちゃんが使用した時の話や今使用している薬との作用など、できる範囲でお答えします。

 腎臓移植は勤務医時代に経験しました。 いろいろな先生のご意見があるでしょうが、メリットがデメリットを超えて効果を発揮するのは、若齢でCRE2.0台の腎臓以外が健康な猫対象だと思っています。もちろん、片腎となるドナー猫の世話と術後の免疫抑制ケアなどが必要です。

 腹膜透析に関しては、猫本人の負担の割に静脈点滴との効果差異が少ないというのが個人的な見解です。ただし、点滴の反応が悪くなった際に、透析が効果を発揮したケースもありますので選択肢のひとつではあります。

 HGFを含む再生医療に関しては、人も動物も待ち望んでいるところではありますが、まだ未開発です。HGFのサイトカイン作用とと似かよった作用をもつといわれるプラセンタ注射や動物用プラセンタなどは上記の補助治療に含まれます。

 どのような治療をするかは、現在の状況・個々の状況によって変わってきます。 これはすべての病気の治療にあてはまることですが、動物達のために何をしてあげられるのか・何をしてあげたいのかを一緒に考えていきましょう。 Dr.mana

 

  
 
 
 
  
 
             
             
posted by まなAH at 22:17| 猫のいろいろ