2013年02月09日

子犬の尿石症

 先日1歳未満の子犬から膀胱結石がみつかりました。

 症状は慢性的な膀胱炎で、内服薬と療法食で2か月間治療を行いましたが治まらず、精査の結果膀胱結石が見つかりました。尿閉塞になることはありませんでしたが、結石の大きさがあまりに大きいことと、ちょうど不妊手術を行う予定があったことから、飼い主さんと相談の上、不妊手術と膀胱切開の同時手術を行うことになりました。

 
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 上のレントゲンで黒く濃くうつっているのが膀胱内の結石です。膀胱の2/3を結石が占めています。これだけ大きいと、フセの姿勢で腹痛を訴える犬も多いのですが、うまく骨盤内に納まり痛みはなかったようです。頻尿症状もありましたが、トイレトレーニング中の子犬なので、飼い主さんには「病気の症状」なのか「しつけの問題」なのか判断が難しかったようです。

          摘出した結石   DSC_1199.jpg 

 尿石対応の療法食で大きな膀胱結石や腎臓結石が溶けた例もありますが、今回2か月の療法食に反応しなかったため、現在アメリカの検査機関に結石の分析を依頼中です。

 しかし、2kgに満たない1歳未満の子犬からこのサイズの結石を摘出したのは、初めての経験でした。結石はある日突然大きくなるわけではなく顕微鏡レベルの結晶が集まってできます。写真で分かるように角が綺麗にとれていますので、数か月膀胱内にあった可能性があります。逆算すると5か月齢の時にはすでに症状が始まっていたということになります。
 
 尿路結石症で来院する犬猫は年々増えてきており、成犬・成猫に関してはフードの影響が大きいとされていますが、ペットショップから来たばかりの子犬・子猫の尿検査で結晶が発見されるケースもここ数年は経験上増えてきているように感じます。遺伝子要因だとすると発症予防は難しいですが、早めに発見し再発予防をしていくことで大きな病気の発症を防ぐことができます。

 子犬・子猫を飼い始めたら検便と同時に尿検査を受けられることをお勧めします。 by Dr.mana 
 
posted by まなAH at 13:00| 診察室から