2012年07月25日

検便のすすめ ~ジアルジア編~

 ジアルジアは鞭毛虫という種類の寄生虫です。
   kansen01s.jpg提供 感染症研究所


 一般にあまり知られていない寄生虫ですが、ブリーダー犬舎など多頭飼育の環境でしばしば見つかります。検便で、動き回る虫体がみつかることもありますが、寄生数が少ないと発見されないこともあります。一般の検便では原因がみつからない 「原因不明の下痢が続く」というときは、ジアルジア感染の可能性がありますので、特にペットショップやブリーダーから購入したばかりの子犬で症状がある場合は、早めに検査を受け寄生の有無を確認しましょう。


 ジアルジアは人の感染症でもあります。日本国内の犬猫のジアルジアが直接人に感染するかどうかは不明ですが、もし感染が見つかった場合、糞便に素手で触らないようにしきちんと処分してください。水中でも生息するので、下水には流さないでください。
 人のジアルジア症はこちら→感染症研究所http://www.nih.go.jp/niid/ja/giardia-m.html

 検査方法はとても簡単です。少量の下痢便があれば、高確率に診断をつけることができます。以前は検査機関に提出して結果がでるまで数日かかりました。が、昨年ジアルジア抗原検査キットが発売され、15分程で結果がわかるようになりました。

 
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 青い点の出方でジアルジアの寄生を判定します。
 陽性反応が出た場合、抗トリコモナス薬で治療を行います。一般的な虫下しの薬では駆虫できません。


 
 当院では最近、慢性の下痢症状がある大型犬で、何度検便をしても異常がなく、この検査キットによってジアルジア感染が診断されたケースがありました。 一般家庭で飼育されている成犬の感染は珍しいので、飼い主さんに感染経路として思い当たることをたずねましたが、特に犬がたくさん集まる所にも行っておらず、普通に道路を散歩したり庭を走ったりする生活でした。この子の場合は、子犬の時から感染していて不顕性感染(症状が出ない感染)だったか、散歩中に感染したかのどちらかです。 散歩中に感染したとすれば、同じ散歩コースの犬もまた感染の可能性があるということになります。

 もしも下痢症状が続くときは、まず便を持参してください。 原因となる寄生虫や細菌が見つかれば本人の治療もスムースに進みますし、同じ散歩コースのワンちゃんに病気をうつすリスクも減ります。また、人間にうつるものであれば、早めに対処もできます。 動物の便から得られる情報は、飼い主さんが想像する以上にたくさんあるのです。

    by mana
 


 
  
posted by まなAH at 11:28| 診察室から