2011年12月12日

猫の変形性関節症って?


  「近年、猫における変形性関節症の罹患率が高いことがわかってきました」 という報告が動物の薬屋さんからやってきました。

  正確には、近年罹患率が増えたということではなく、猫が長生きになり、猫を病院へ連れて行く人が増え、猫を触る獣医が増えた。その結果、猫の変形性関節症が発見される率が増えた、ということでしょう。


  猫は 関節症になっても犬のような臨床症状を呈しません。 犬ならば、間違いなくびっこをひくような症例でも、猫はびっこをひかない。犬ならば痛がってごはんを食べない症例でも、猫はごはんを食べる・・・飼主さんにとってはとてもわかりにくいものなのです。


 1、ジャンプできる高さが低くなった。
 2、高いところへいきたがらなくなった。
 3、階段の上り下りがゆっくりになった、または、上り下りしなくなった。
 4、寝起き直後の動作がゆっくりなった、または、立ち上がろうとしなくなった。
 5、目標物の追走をしなくなった。
 6、寝ている時間が長くなった、または、短くなった。
 7、おもちゃで遊ばなくなった。


 以上が、一般的な「慢性痛評価所見チェックリスト」ですが、おそらく老猫を飼っているほとんどの飼主さんが、『あるある』と思われたことでしょう。 逆に言うと 「うちの子、最近歳をとったわねぇ」と思って、関節症を見過ごしているケースが多々あるということです。 つまり、適切な治療をしてあげれば、まだまだ元気に活動できるチャンスがあるのです。 


 実際に、当院でレントゲン検査で背中や足の関節症が見つかったケースのうち、8割以上が他の病気でレントゲンをとったらたまたまうつった、というものです。 


 海外の文献によると、無作為に選択した猫100頭(平均9.4歳)のすべての関節のレントゲン検査を行ったところ、91%の猫に四肢関節に少なくとも1つ以上の変形性関節症所見が認められたという報告がありました。 (院内掲示板にはってあります)


 では、「うちの子が関節症かどうかを見分ける方法は?」 

 1、触診・レントゲン検査を受ける。
 2、関節用サプリメントを1ヶ月投与し行動に変化があるかどうか観察する。   の2通りがあります。

 
 サプリメントに関しては、肉食・ミルク好きな子には「コセクインカプセル」を、魚派の子には「グルコサミンΣ」や「サメの軟骨」をお勧めしています。 このコセクインは海外で発売されてから日本に入ってくるまでに随分時間がかかりました。 待ち望んでいたサプリがやっと日本でも買えるようになったので、みなさんにお勧めしています。純度が高く吸収の良い猫用サプリで、味もおいしいと評判です。



 ただし、10歳以上の猫で、あきらかに痛がっていたり様子がおかしい場合は(びっこをひく・足をペロペロ舐めるなど様子があれば)早めの受診をお勧めします。 (サプリではなく、鎮痛剤が必要なケースもあります)


 さて、診察室でよくみかける光景に、嫌がる猫を無理やりキャリーバックから引きずり出す・・・こんな時、老齢の猫は、背骨や足の関節がポキポキと粘髪音をたてていることがあります。 飼主さんは一生懸命にシャーといっている猫の頭をはたきながら、診察台に乗せてくれるのですが、その「シャー」は「病院が嫌」の合図ではなく「腰が痛い」の合図かもしれません。 お家で、昼寝している猫を膝に乗せようとしたら嫌がったというのも、歳をとってわがままになったのではなく、体の向きを変えるのが痛いのかもしれません。 そんな風に思い起こしてみると、思い当たること、ありませんか?



 猫も 人と同様、痛みが出る前に早めのケアをして、快適な老後を送らせてあげたいですね。   by mana



 
 



 
  


  



 



 

 ちなみに 我が家の猫(15歳)は、最近トイレの段差を嫌がるようになりました。トイレに入る向きを変えてみたり、お尻だけをトイレにいれてみたりして本人なりに工夫している光景は、見ていてとても愛しかったのですが、さすがに毎日のことなので、無理せず入れる場所にトイレの場所を変えてあげました。 さらに、サプリメントを飲み始めて、2ヶ月。 調子がでてきたのか、いつもは入らない押入れの2段めにチャレンジして失敗し半日ほど凹んでいました。。。でも、チャレンジしようという気持ちになったことは良いことです。きっと本人は「イケル気がする」と思ったんでしょうね 猫


posted by まなAH at 19:57| 猫のいろいろ