2011年04月06日

狂犬病の話


   
 飼主さんから質問の多い狂犬病に関するQ&Aをいくつかあげてみました。

 不明な点は、来院の際にお尋ねください。

 


 「狂犬病ってどんな病気?」

 狂犬病は狂犬病ウィルスの感染によって引き起こされる、致死率100%の人獣共通感染症です。

 狂犬病ウィルスは、動物に咬まれて感染します。現在までアフリカで5種類の、オーストラリアで1種類の狂犬病類似ウィルスが発見されています。この病気はほとんどすべての哺乳動物に感染し、致死的な脳炎を引き起こします。 日本では昭和32年以後動物の発症はありませんが、海外では現在も多くの国で狂犬病が流行し、年間約5万人もの人が命を落としています。中国では一昨年2000人以上の人が狂犬病で亡くなりました。

 人では2006年フィリピンで犬に噛まれた方が2名(京都・神奈川)で狂犬病を発症し亡くなられています。
 
  

 「狂犬病注射はうたなくてはイケナイの?」 

 犬を飼った時は1ヶ月以内に市町村に届けること・年に1回予防注射を受けることが狂犬病予防法により義務付けられおり、法律に違反した場合の罰則も定められています。 



 「なぜ 狂犬病だけ集合注射があるの?」

 一般の混合ワクチン(5種8種など)との大きな違いは、狂犬病予防が動物の為のものではなく人間の為のものだからです。獣医師の管轄は農水省ですが、狂犬病予防は厚生省の管轄になります。つまり、赤ちゃんのワクチンと同じように、ヒトに伝染病が蔓延することを防ぐ為の注射なのです。昔は個人の動物病院が少なかったので、注射の接種率をあげるために集合注射という形がとられました。(現在は病院数が増えたので集合注射の意義はみなおされようとしています)


  「日本に狂犬病はある?ない?」

 日本は現在清浄国です。しかし清浄国でない国から、検疫を受けていない動物が日本に入ってきているのも事実です。さらに、過去に狂犬病が蔓延したのは戦争や大きな震災の後であることが統計でわかっています。 ここ数年はとくに検疫を強化しワクチンの接種率をあげていかなければいけない時です。日本の実質接種率は3,4割程度ですが、流行を抑えるためには7、8割の接種率が必要とされています。


  「3年に1回じゃだめなの?」

 狂犬病の抗体は1度の接種で5〜7年維持できるという海外のデータがあります。 しかし、上記のような流れで「狂犬病注射=登録」という図式になっているので、現段階では開業獣医師の判断で3年に1回にはできません。 個人的には、マイクロチップで登録し、3年に1回の接種で接種率をあげる、さらに15歳以上の犬の接種は免除するべきだと思うのですが、国の定めた法律ですので法律自体を変えていく必要があります。

 
  「副作用があるの?」

 副作用(副反応)が全くないワクチンは存在しません。 しかし、混合ワクチンと比べると熱が出たり顔が腫れたりという副反応を発症する件数は少ないです。 当院では、身体検査と問診をしてから注射をうっていますが、他院で加療中であったり、体調が良くない時はあらかじめ受付で申告して下さい。 


  「病気の治療中に注射をうっても大丈夫?」 

  病気の程度によっては、注射をうてない・うたない方が良い場合もあります。 獣医師がそのように判断した場合は、1年間の猶予証明を発行しますので、保健センターで手続きをしてください。


   

 

 

posted by まなAH at 18:36| 診察室から