2015年10月05日

当院から 「ヒヅメ禁止令!」発令します

当院では日頃から歯科予防に力をいれていますが、予防しきれなかった歯に関しては治療が必要です。

寿命80年の人間と違い、10数年の寿命である犬猫の歯は、一昔前の獣医療ではないがしろにされてきた分野でした。が、最近では動物の歯科専門医院もでき、人間の歯科治療にぐんと近づいてきました。

先日、ヒヅメで臼歯が欠けてしまったダックスのワンちゃんが来院し、動物の歯の先生に手伝ってもらって歯の整復処置をすることになりました。

歯 甘粕 (5).JPG 上の一番大きな歯、黒い筋が入っているのがわかりますか?

 外側1mmは、歯から裂けて歯肉にくっついているだけの状態。すでに残った歯と裂けた歯の間に歯石が付着してしまっています。飼主さんのお話では「昨日出血して・・・」とのことでしたが、おそらく1か月ほど前に欠けてしまっていたと思われます。







さて、裂けた歯を抜去し元の形に整復し、臼歯の上の歯肉で付け根の隙間を覆って、見た目には元通りになりした。元の歯より少し白く見える部分が治した場所、ほぼ元通りです。 ただ、見た目だけの問題ではなく、歯髄(血管や神経の通り道)が表に露出していたり、歯肉の中に細菌感染が起こると、歯の根っこが腐ってくるので、できるだけ早期にきちんと治してあげることが大切です。

歯 甘粕 (6).JPG

実は、ヒヅメの事故はとても多いんです。専門の先生いわく「臼歯の破折のほとんどは、ヒヅメが原因です」とのこと。普段から飼い主さん方に、歯よりも硬いものはあげないでねと、ベジタルチュウやナシの木のチュウをお勧めしてきましたが、ヒヅメを噛んでいる子のほとんどが「そんなの一日でなくなっちゃう!」と言います。噛むのが大好きな子達なんですね。そんな子の場合は、与えっぱなしよりも、飼い主さんがチュウを手に持って噛ませたり、デンタルコットンをひっぱって遊んだり、ひと工夫することで事故の回避につながるので、試してみてくださいね。 ヒヅメを与えて留守番させるのは禁止です。

ところで、これは本当に余談ですが、歯の修復とサーフボードの修復。とても似ているんです。欠けているところを綺麗にして乾かし、光で固まる液体を注いで紫外線で固め、粗く削った後に研磨する。かなり個々のセンスが問われる作業ですが、サーファーの歯医者さんは、板のリペアがうまいに違いないと勝手に信じています(笑)

 by mana










posted by まなAH at 09:00| Comment(2) | 診察室から
この記事へのコメント
参考にさせていただきました。ありがとうございます。ちなみに鹿のツノはどうなんでしょうか。硬度はひづめより低いと思うのですが。
Posted by 増子尚吾 at 2015年10月11日 10:01
ブログを読んでいただきありがとうございます。

鹿の角は中が空洞になっているのでヒヅメより硬度は低いと思いますが、基本的には自分の歯より硬いものを長時間噛み続けることが問題なので、おすすめはしていません。

ワンちゃんの大きさや噛む力によって違うと思いますが、噛んでも噛んでも小さくならないものは、与えない方が安心です。


Posted by 下田 at 2015年10月11日 15:46
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